タイツストーリー Archives

2004年02月05日

[タイツストーリー]
酒田美奈さんへ。


 
急にこんな手紙を渡して、驚いたらごめん。
 
1年のときにはじめて同じクラスになった時に、
酒田のこと、正直言ってすごく子供っぽい子だな、と思ってた。
(怒んないでな)
でも2年になって、背の低かった酒田が急に大きくなって、
なんとなく大人っぽくなったとき、すごくまぶしく見えた。
 
夏休みの校外学習で、キャンプに行ったとき、
炊事場で上手に包丁を使って料理をする酒田の姿を見ていて、
すごく大人の女の人のようで、胸がしびれた。
 
修学旅行で同じ班になれなかったのがすごく悔しかったけど、
吉森があとで酒田の写真をいっぱいくれたので、
それをすごく大事にしてた。
 
酒田は俺が吉森と付き合ってると思ってるらしいけど、
それは違う。
吉森は俺のこと好きかもしれないけど、
俺が好きなのは、酒田美奈さん、あなただけです。
 
同封した写真は、俺が本屋でこっそりデジカメでとって、宝物にしてる写真です。
こっそり撮ったりして、ごめんな。
でも酒田の黒いタイツの脚がすごくきれいで、モデルみたいだとおもってる。
 
もちろん酒田のこと、見た目だけじゃなくて、はっきりした性格も
頭のいいところも大好きです。
もし酒田と付き合えたら、酒田のことすごく大事にします。
こんな俺ですが、もしよかったら、俺の彼女になってください。

                                         (撮影/solid氏)
 

2004年01月20日

[タイツストーリー]
・・・・・・・・・ 詩集 かもしかのうた ・・・・・・・・・・・

 
    黒いたゐつ
 
あなたは毎朝元気よく 黒いたゐつをはくのでせう
身を切るようなつめたい風に負けまいと
御友達とおそろひの 黒いたゐつをはくのでせう
  
学校の教科の合間には たゐつのほこりをはらうのでせう
休憩時間には御友達と たのしくかたらひながら
運動場のほこりやうわばきのあとを あなたはきれいにはらうのでせう
 
ときにはお転婆がすぎてしまひ たゐつにほつれをつくるのでせう
花のつぼみがふくらむ時分には ひと冬はいた傷みがたまり
毛玉やほつれができすぎて あなたは黒いたゐつを捨てるのでせう
 
赤い革カバン  シューミーズ  サアカスのジンタ  運動場のサクラ
  
それでも季節がぐるりとめぐつてゆけば
きつとあなたは今年の冬も 黒いたゐつをはくのでせう
 
 

 

2003年12月28日

[タイツストーリー]
かのこさんのこと。

 

かのこさんは東京の出版社で雑誌の編集の仕事をしている。
去年の9月に30才になったが、化粧っ気があまりない上に
ボーイッシュなショートカットのせいで、とても子供っぽく見える。
学生時代には女の子にとても人気があった、という話を聞いたけど、
今でも同じ会社の女の子の中で、かのこさんのことを好きな子はきっと何人もいる。

かのこさんはいつもさっぱりした服装をしていて、余り派手な服は着てこない。
胸もさっぱりしているし、太もももムチムチッとしているわけでもない。
仕事もとてもよく出来るから、男性にはあまり「セクシィな」タイプだとは思われていない。
でもぼくにとって、かのこさんは、おなじ会社の女の子の誰よりもエロティックな存在なのだ。

かのこさんは少し寒い時期になると、必ずきれいな黒いタイツをはいてくる。
黒いタイツなんて冬になれば誰だってはいてくる、なんて言っちゃいけない。
彼女は実は自分が身に付けるタイツにすごく気を使っていることを、僕は知っている。
 
それはとても柔らかい光沢を持った美しいタイツで、
一目で他の女の子の黒タイツとは違うとわかるタイツだった。
かのこさんがはいているタイツはいつも同じで、もしかしたら、
彼女は毎日同じタイツをはいてるのかもしれない、なんて思うこともあった。

かのこさんは仕事中に電話を立て続けにかけた後で、少し放心状態になって、
パンプスから抜いた、タイツに包まれた自分のつま先を見つめていることがある。
タイツの中で足の指をねじるように動かし、
ふくらはぎに当たる光りの加減を長い時間かけてチェックする。
かのこさんはタイツに包まれた自分の足が、すごく好きなんだと思う。

「むかし、ベルコモンズにエル・カルマンっていうお店があったの知ってる?」
とかのこさんが言った。
昼休み、おなじ編集の女の子たちと食事に行ったカフェテリアでのことだ。
かのこさんのタイツ、どこで買ったんですか?という、
今年大学を出たばかりの子の質問にかなこさんはそんなふうに答えた。
 
わたし、そのお店知らないわ、とその子が言うと、
かのこさんは「そう」とひとこと言って会話を打ち切った。
 
『える・かるまんハネ、タブン、ニホンデハジメテデキタたいつノセンモンテンダッタノヨネ』
 
ぼくは前にそんな言葉を彼女が口にするのを聞いたことがある。
その昔ー 大学生だったぼくは喫茶店で読んだ「an an」で見つけたそのお店で、
きれいな黒いタイツを買ったことがあった。
今でもあのお店はあるのだろうか?
 
かのこさんは普段、モノトーンのスーツを着てくることが多いのだけど、
ときどきデニムのショートパンツに皮のジャンパーなんていう、
彼女としてはワイルドでフェティッシュなスタイルで会社に来ることがある。
 
でもヘアスタイルはおとなしい女子高生みたいだし、
顔のつくりもどちらかというと地味だから、
なんかかわいい、なんてまわりの女の子に言われてしまう。
でも彼女はそんなスタイルの時でもちゃんときれいな黒いタイツを
ショートパンツの下にはいていて、またそのタイツ姿がすごく素敵なのだ。

もしかすると、かのこさんはじぶんのタイツをはいた足を、
自分でもよく眺めたくてそんな格好をしてくるのかもしれない。
 
年末のクリスマスパーティでのことだ。
 
かのこさんはグレーのワンピースを着て、
カーペットの上にぺたりと座ってピンク・シャンパンを飲んで、
他の人々とは一線を画すようになオーラを発散させていた。
  
彼女はときおり床にじかに触れている黒いタイツに包まれた足をチェックし、
ほこりが付いていないか丹念に調べたりしていた。
 
ミニスカートをはいた新入社員の女の子がツイスターゲームをすることになって、
「パンツが見えちゃうもの!」としり込みしたとき、
それまで窓の外を見ていたかのこさんが彼女の方を向いてこう言った。
 
「だってタイツはいてるんだから平気でしょ?」
 
結局彼女の代わりにかのこさんがツイスターゲームに出た。
グレーのワンピースを着たかのこさんは思った以上に粘り強さを見せ、
ときおりワンピースの裾からタイツに包まれたお尻をのぞかせた。
女の子たちは悲鳴を上げ、男達は乾いた笑いを浮かべ、
かのこさんは相手の男を潰した後に、平然と起き上がって僕の方を見て笑った。
 
ぼくは1回だけかのこさんとセックスをしたことがある。
会社からの帰り、二人でタクシーに乗って、彼女のマンションに行き、
ぼくは自分のうちへ帰らずにかのこさんの部屋に泊まった。
 
バスルームには彼女が洗ったタイツが、ウエストのゴムとつま先の二個所を
洗濯ばさみで止められて干されてあった。
彼女は僕の目の前でタイツを脱ぎ、洗面台で手を洗う前に洗濯石鹸を使って
そのタイツを手洗いした。
 
ぼくは狭いベッドルームの床に座り、部屋の中を見回した。
ラタンのチェストが少し開いていて、その中にきれいに巻かれてしまわれた、
同じ種類の黒いタイツがぎっしり詰まっていた。
 
かのこさんはぼくのズボンのファスナーを下ろした。
黒いタイツに包まれたぼくの下半身を見て、ふと彼女は手を止め、ぼくの顔を見た。
 
「私のと、おんなじ」
 
彼女はまだアイロンが効いているブラウスのボタンを外しながらそう言った。
「いつも私のタイツを見てるものね」
 
そう言って彼女はゆっくり手を伸ばし、タイツに包まれたぼくのひざに手を触れた。
 
桜の花が散るころ、ぼくは本当に久しぶりにかのこさんと二人で食事をした。
食事が終わった後、かのこさんはテーブルの下をのぞき込んで、
しきりに足首に手を触れている。
 
いつのまにか彼女のきれいなタイツのくるぶしのあたりに
白い小さな毛玉がいくつも出来ていて、彼女はそれを一つ一つ、
丹念につまみとっているのだった。
 
「もう、これはお蔵入りかな?」
 
ぼくの視線に気がついた彼女はすっと黒い足を水平に延ばして、
パンプスを脱いだつま先で、くるりと小さな輪を描いた。
 
(初出/タイツワールド・1999年)
 

2003年12月20日

[タイツストーリー]
おねえさんのうた。

 
■おねえさんはタイツをはきます。
おねえさんは黒い80デニールのタイツをはきます。
 
おねえさんは毎日、黒いタイツをはいてお勤めに行きます。
おねえさんは毎朝、黒いタイツをぎゅっぎゅっとはきます。
 
おねえさんは黒いタイツの上にこのあいだ買ったスカートをはきます。
ちょっと丈が短いひざ上10センチのスカートなのですが、
同じ会社のえみちゃんが「かわいい!」というので会社にはいていきます。
 
おねえさんは駅の階段でタイツをはいた脚を見られることがあります。
おねえさんは黒タイツのふとももをじろじろ見られることがあります。
おねえさんは「スカートが短いからかな?」と思いますが、
そのスカートはかわいいので平気です。
 
おねえさんは会社では制服を着ます。
おねえさんは更衣室で脚は黒タイツのまま、紺の制服に着替えます。
  
おねえさんは会社ではサンダルを履きます。
おねえさんはサンダルの先からタイツに包まれた爪先を見せます。
おねえさんはお昼にはお財布を持ってタイツかかとを見せてご飯に行きます。
 
おねえさんの会社には生足で制服を着て、課長に怒られた新人の子もいます。
おねえさんは「タイツかパンストをはかなくちゃいけないんだ」と昔から思っています。
 
でもおねえさんは会社から帰るとタイツを脱いでしまいます。
おうちでタイツをはいていると、手玉ができるし、きつくて苦しいからです。
 
おねえさんは毎朝お化粧をします。
鏡の中の自分の顔を見る時、一重の瞼がちょっと口惜しいですが、
結構かわいい方だと思っています。
 
おねえさんは月に一回、青山の有名なヘアサロンで髪を切ります。
雑誌で見つけて行くようになったお店ですが、
最近、予約が取りにくくてちょっと頭にきます。
 
おねえさんは月に2回、男の人とセックスをします。
おねえさんは半年前に合コンで知り合った32歳の男の人とセックスします。
 
彼は大手の商社に勤めているのですが、時々おねえさんにお金を借ります。
おねえさんは結婚したらどうせ一緒のお金で暮らすんだから、
と、思って今までに300万円ほど貸しています。
おねえさんは彼のことが好きですが、時々ケータイメールの返事が来なくて
かなり頭にきます。
 
おねえさんは会社から帰ってもすることがないので、
帰りにおともだちとお茶を飲みます。
おねえさんはおしゃれなお店でお茶をするのが好きです。
来月からダイエットもするつもりです。
 
おねえさんはだいたい黒の肌の透けないタイツか柄タイツをはきます。
ときどき茶色のタイツもはいてみますが、
茶系の色のタイツはおねえさんの持っている服にはあんまり合わないので、
おねえさんはだいたい毎日黒いタイツをはきます。
 
  
おねえさんは月にいっぺん、オナニーをします。
 
 

おねえさんは時々新しいタイツを買います。
おねえさんはデパートでブランド物の黒タイツを買います。

この間、おねえさんが黒タイツを買っている時、
デパートのストッキング売り場にひげの生えた男の人がいました。
 
おねえさんはその男の人を見ないようにします。
おねえさんはタイツを買う男の人を無視します。
 
その男の人はおねえさんと同じ厚地のブランド物のタイツを買います。
その男の人はおねえさんの後ろに並んで、女性もののタイツを買います。
 
おねえさんはひげの男の人に黒タイツをはいた脚を見られます。
おねえさんは短いスカートをはいたタイツ脚を見られます。
 
でもそのスカートはかわいくて、いやらしくないので、全然平気です。
 
(1999年PFCメーリングリストより大幅に改作・再録)
 

2003年12月10日

[タイツストーリー]
忘年会の女

■忘年会の季節である。場所は築地、4,000円の予算にしてはうまいものが次々に出てきてあまり飲まない私でもそれなりに楽しめる。しかしそれ以上に私を楽しませてくれたのは、すぐ横の座敷にいた若い娘たちだった。
 
私はテーブル席の角に座っていたのだが、そのすぐ横には通路を挟んで座敷席が並んでいる。娘たちは15名ほどの団体で来ていて、テーブルを長く横に並べ、4人ほどの娘が私の背中を向ける格好で座っていた。年齢は22〜27というところだろうか。全員がいかにもフツーのOLらしい垢抜けなさを備えていて、地味すぎず、派手すぎずの私服を身につけている。

形のいいお尻を暖かそうな生地のミニスカートに包み、座布団の上に正座している。正座しているからには当然そのおしりの下にはさまざまなタイツやパンストを穿いた脚がのぞいているのだが、靴を脱いだ「タイツはだし」「パンストはだし」の足の裏というのはひどくいやらしくて恥ずかしい。

 
私の目は当然そんな彼女たちの下半身に釘付けになっている。彼女達は私のそんな視線を知ってか知らずか、タイツを穿いたつま先をもぞもぞ動かしたり、ミニスカートの中に一杯に詰まったお尻を左右に揺り動かしたりしているのだ。
 
私は自分が参加している忘年会の会話もそっちのけで 4人並んだタイツ&パンスト娘を凝視し続けている。 左から推定40デニールの黒タイツの娘。そのとなりはシアートゥーのつま先が透けたカフェブラウンのパンスト。その右は恐らくカネボウの物と思われる滑らかなグレーのスムースタイツ。そして私に一番近いところにいる娘は80デニールの目の詰まった黒いタイツを穿いている。
 
時間が経つにつれ、彼女達は正座していた脚を崩し始めた。床に座るとミニスカートは大きくももの上の方までずれ上がり、恐らく正面から覗いたらセンターシームに分割された三角地帯が見えるに違いない。しかし彼女達もさるもの、4人ともひざの上にハンカチを大きく広げ、前からの視線をガードしていた。しかし後方からの視線には全く悲しくなるぐらいに無防備だった。
 
左端の40デニールがおしりを横にずらし、右足を伸ばした。タイツのひざの部分にしわが入り、それに気が付いた彼女がさりげなくタイツのももの部分をつまんで引き上げる(あーあ、安物のタイツで正座したらひざが出ちゃうの知らないの?)。
 
彼女は視線を対面の男性に向けたまま、スカートの中に手を入れてタイツを直している(きっと君のあそこはタイツが浮いちゃっているんだろうね)。
 
右はじの娘は薄い茶色のスリットミニで、厚いタイツを穿いているのにもかかわらず、パンティの線はおろか、パンティの縁のレースまでが浮き出している。二つのおしりの山を縦に走る線があって、何かと思ったら、それはタイツのシームなのであった。(今どきシームがおしりに2本あるタイツなんて珍しい。まるでマタニティ用みたいだ)。
 
しかし彼女が妊婦であるわけもなく、きっと一昔前のアツギ・フルサポーティのミンクラインの数少ない在庫を買ってしまったのだろう。
 
左から2番目の茶色パンストの娘が大きな声で笑った。体を曲げた拍子に上着の裾がずり上がり、のぞいた背中のウエストに茶色いものが見えた。よく見るとそれは引き上げ過ぎたパンストのウエストゴムの部分なのであった。
 
  

私は尿意を催してきた。トイレのドアを開けると洗面台の前でグレータイツの娘がセーターの裾をまくり上げ、スカートのファスナーと格闘している。思わず私は「大丈夫ですか?」と声をかけてしまった。彼女はかなり酔っている。普段だったら男性にこんな姿を見られたくないのだろうが、そのときの彼女は私にスカートのファスナーを見せて「ここが引っ掛かっちゃって・・」と言う。
 
見るとファスナーの中ほどにグレーのタイツの生地が挟まり、下げようとしてもにっちもさっちも行かない。「これは大変だ」と私は感情を押し殺した声を出し、ファスナーに手を触れた。
「無理に開けるとタイツが切れちゃうけどいい?」
「いいです!。早くトイレに行きたいんで・・」
このタイトスカートではめくり上げて用を足すことができないのだろう。
私は全力を振り絞ってファスナーを押し下げる。そのとき、「ビリッ」と鈍い音がして彼女のスカートのホックが飛び、グレーのタイツに包まれた腰が丸見えになった。
 「ありがとうございました」彼女はそう言ってトイレに飛び込み、出てこなかった。
仕方なく私は店の外までいって、やっとのことで用を足した。席に戻るとグレータイツの彼女は何事もなかったかのように談笑している。よく見ると、彼女はいつの間にかベージュのパンストをはいていた。「!」ピンと来た私はトイレにそっと入ってお目当てのものを探す。
 あった。トイレの中ではなく、洗面台の横のクズカゴの底の方に、きっちり丸められたグレーのタイツが捨てられていた。
私はトイレの個室に移動し、戦利品を確認し、あることに気が付いてそのタイツをもとのように丸め、クズカゴの底にそっと隠した。
 
テーブルにもどると彼女たちのグループがちょうど席を立つところだった。娘たちはタイツについたほこりを払い、靴をはき、コートを着込んで外へ出ていく。
そのとき例の元グレータイツの娘が私を見てうつむいた気がした(替えのストッキングは持っていても、替えのパンティまではなかったんでしょう?)。
 
あの時、私が広げたグレーのタイツの股のところには、きれいに丸く、直径15センチほどの濡れたしみが残っていたのだった。
 
(1997年PFCメーリングリストより一部改稿 再録)
 

2003年11月25日

[タイツストーリー]
雨の日の60デニール 

■今朝、駅へ向かう道でふと前を見ると、5メートル前方に黒いタイツを穿いた
ショートカットの24ぐらいの女の子が、雨の中を歩いていた。
 
推定60デニールの黒いタイツに包まれた彼女の足首はとても細かったが、
どこか子供っぽく、ヒールのある黒いパンプスとは妙にアンバランスだった。
駅へ急ぐにしては彼女の歩みは遅い。
彼女のタイツ足が気になった私は電車を一本遅らせることにして、
彼女の後方5メートルの距離をゆっくり歩く。
少しオペークっぽいそのタイツは滑らかに光を反射させつつ駅への道を歩き、
私は傘を傾けながらその光沢がさまざまに変化する様をを楽しんでいた。

 
雨はまだ止まない。
彼女は少しだけ高いパンプスのヒールに慣れていないらしく、
歩くたびにヒールからふくらはぎの下半分にはねが上がって、
黒いタイツの表面に銀色の水滴がいくつも浮かんでいる。
 (そんな歩き方をしちゃ、タイツがびしょぬれだよ)
水滴はタイツにしみ込み、しっとりと彼女の足を濡らしていく。
やがてその水分は60デニールの繊維を伝ってパンプスの中をつま先まで湿らせるはずだ。
 
 (濡れたタイツのつま先は、すごく臭くなるって知ってるのかな?)
 
電車に乗り、暖まったパンプスの中で湿ったタイツは
靴と足のにおいをたっぷりと吸収し、会社についたころに発散させる。
パンストより生地が厚い分、水分の吸収量も多いので、
その効果は一層高まってしまう。
  
昔、やはり雨の日に、コーヒーショップのトイレで
そういうタイツを見つけたことがある。
広げてみても伝線もなく、一体なぜ捨てられたのか不思議に思ったのだが、
鼻を押し当ててみてその理由がわかった。強烈な足と靴のにおい!

 
きっとその厚いタイツを穿いていた女性は、
自分のつま先からにおう刺激臭に辟易したのだろう。
ある女性の話では、雨の日の女子トイレにはそんなタイツや
ストッキングがたくさん捨てられているという。
「私は捨てるのが抵抗あったから、はいたタイツのパッケージに包んでバッグに入れてきたんだけどね。バッグを開けるたびににおうから、気付かれたらどうしようってドキドキしちゃった。」
「そんなに臭いの?」
「じゃあ、かいでみる?」
 
ホテルの一室。その女性は黒の革のビスチェだけを身に付け、
黒いパンストに包まれたヒップでベッドのはじに座っている。
彼女はMなのだが、その日はいつものプレイにも退屈して、
その女性に私に奉仕する女王様の役をさせていたところだった。
 
彼女はビニールからとりだした、丸めた黒いタイツをほどき、
革手錠で後ろ手に縛って転がした私の首を持ち上げ、
その湿った黒いタイツをゆっくりと息を止めた私の鼻と口に巻き付けていく。
そして息を吸い込んだ瞬間、香水と悪臭が入り交じったしびれるような香りが
私の脳の深いところを直撃して、おもわず体を反らして射精しそうになる。
 「どう?くさくない?」

気が付くと私はすでに駅についていた。
ショートカットの彼女の姿は駅の雑踏に紛れ、どこにも見えない。
彼女のタイツは今ごろ、どんな芳香を放っているのだろうか?
 
(1997年PFCメーリングリストより再録・一部改訂)

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